章 51

「実は俺、ずっと気づいていたんだ。王林が昊霖に対して丁寧なのは完全に金五道の顔を立ててるだけで、もし昊霖の兄貴が金五道じゃなかったら、王林は昊霖を全く眼中に入れてなかっただろうな」

最初は昊霖が演劇科のトップだと思っていた。そうなら王林と完全に対立しても、俺たちには王林と渡り合う力があるはずだった。だが昊霖は単なる一匹狼で、外で金五道に守られてなければ、昊霖はとても王林にあんな口を利けなかっただろう。

王林も兄貴分に守られている男だ。そんな奴がこんな侮辱を受け入れるわけがない。すぐに拳を握りしめて昊霖と戦う構えを見せた。昊霖は激しい戦いになりそうだと気づき、俺と張芸に目配せして、これから喧...