章 312

「面罩の男は私の質問に答えず、むしろアクセルを踏み込んだ。それからは何を聞いても黙ったまま、初めて会った時のように沈黙を貫いていた。

学校に私を降ろすと、彼はそのまま車で去っていった。

本当に変わった人だ。説明なんて必要ないけど、彼が誰なのかもどうでもいい。とにかく夏雨涵に敵意がなければそれでいい。それに彼女はもう海外に行くし、面罩の男とも接点はないだろう。

もし彼が王東と絡んでいるなら、今度は容赦しないつもりだ。この間の経験から学んだのは、物事は別々に考えるべきだということ。一つ一つ別の問題として扱うべきだ。

本来なら今日張晓晴に電話して状況を説明するつもりだったけど、夏雨涵の件があったから...