章 148

「こいつが志成だ。ずっと志成から逃げていたのに、まさか逃げ切れないとはな。志成と一緒にいるのは秦風だ。あの路地で秦風を逃がして以来、会っていなかったが、今回自分から来たからには、もう遠慮する必要はない。黄茜の仇は必ず討つつもりだ。

黄茜は命に別状はなくなったとはいえ、秦風のあの数刀で命を落としかけた。しかも奴のせいで黄茜は省都に連れて行かれ、会うことさえ望めなくなった。だから今回は絶対に秦風を見逃すわけにはいかない!

秦風だけなら恐れることはないが、志成がいるとなると厄介だ。志成は小鹰沟一帯の大物だ。志成がいれば秦風に手を出すのは難しくなる。

タバコを咥えた志成が目の前で立ち止まり、にや...