章 50

私は驚愕し、ほとんど考えることなく、本能的に真っ先に韓先生を抱きとめようと手を伸ばした。

韓先生をしっかりと抱きとめたものの、転落してきた勢いのせいで、私も踏ん張りきれず、結局二人一緒に階段踊り場へと転がり落ち、やっとそれ以上転がり続けるのを食い止めることができた。

この転倒で私は何カ所も痛めたが、まだ耐えられる範囲内だった。

私は急いで腕の中の韓先生に尋ねた。「韓先生、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ、たださっき足をくじいただけ」韓先生はすぐに言った。「あの...まず起き上がらせてもらえない?」

彼女にそう言われて、初めて私は自分の両手が韓先生の胸をきつく抱きしめていることに気づいた。...