章 92

窓の外の雨がすっかり止み、雨の匂いを含んだ風が一陣一陣と吹き、窓を叩き、鈴の音と同時に喧騒が立ち上った。

最後の英語の試験が終わると、生徒たちは手綱を解かれた野馬のように学校から飛び出した。泣く者、笑う者、泣きながら笑う者……

雨上がりの空に虹が架かり、何日も続いた曇り空を一瞬で追い払った。裕桐にこんな陽の光が差したのはどれくらいぶりだろう。本当に久しく、久しくなかった。

林凱は試験が終わるとすぐに顔離を探しに行ったが、学校中を走り回っても彼女の姿は見つからなかった。

やがて学校の裏庭の東屋で夏子坤に出会った。彼は犬尾草を一本咥え、両手を頭の下で組み、片足を投げ出して、淡々と言った。「...