章 50

誰も予想していなかった。半学期がもう終わりに近づいているのに一度も会っていない葉家の両親から、突然電話がかかってくるなんて。

雲想が電話を受けた時、心臓がバクバクと鳴り、言葉を間違えて正体がバレるのではないかと戦々恐々としていた。

葉家の両親は元旦に一時帰国するとのことで、電話では遠回しに、彼女を海外留学させたいという意向を伝えてきた。

はぁ。

雲想は今日何度目のため息をついたことだろう。

どうやったら葉家の両親を説得して海外行きを回避できるだろうか?

彼女は本当の葉詩語の本心がわからないし、かといって行かないことで相手の将来を台無しにするのも怖かった。

でも、もし海外に行くこと...