章 40

翌日。

授業終わりが近づいた頃、突然空が曇り始め、雷がゴロゴロと鳴った後、雨粒が地面を叩く音が聞こえてきた。

雲想の思考は少し遠くへと飛んでいた。

あの年も同じような天気だった。彼女は先生に早退を願い出て、蘭陽行きのバスに乗った。

降りたばかりの時、ちょうど蘭陽の下校の鐘が鳴り、彼女は門の前に立ち尽くしていた。別の学校の制服を着ていたため、門衛に入校を許されなかった。

陸子鈞は彼女が校外にいることを知りながら、わざとのろのろと出てこなかった。

向かいの通りで、帽子の縁を下げた男が突然若い女性のバッグを奪って逃げ出し、女性が「泥棒!」と叫んだ。

彼女は考えるまでもなく追いかけ、そこで夏君辰と出会...