章 40

林が後部座席で仮眠を取っていると、趙弘陽が窓から身を乗り出して林の頬を摘まんだ。「おい、夏休みはまだ一ヶ月以上もあるんだぞ。俺のことどうしてくれるんだ?」

「誰もあんたのこと考えてないよ」林は趙弘陽の手を払いのけた。趙弘陽は意に介さず、もう一度林の頬に触れた。林政祥が車に乗り込むのを見て少し離れながらも、大声で林に言い残した。「おい、俺のこと見ないのか?」

林は目を閉じたまま、だるそうに言った。「死ぬほど眠いんだ。黙ってよ。いつだって会えるじゃないか」

「ああ」趙弘陽は少し落胆した様子で、林政祥の車がゆっくりと走り出すのを見送りながら、車の後ろ姿に向かって叫んだ。「息子よ、道中ご無事で!...