章 86

義理の妹は垂涎の的だった美食を味わったようで、満足げな声を漏らした。「うん……お姉ちゃんの口から奪ったものって、やっぱり一段と美味しいわね」

どうやら得をしたのは義理の妹ばかりで、妻はすぐに不満げな表情を浮かべた。「もう、イヤだよ。一口だけって約束したのに、全部取っちゃうなんて」

「あなたに力があるなら、私の旦那から取ればいいじゃない。この意地悪。小さい頃から私のものを奪うのが好きだったくせに、今じゃ旦那まで奪うなんて、ほんとに」

姉妹の仲はかなり良さそうだ。義理の妹は得意げに、口の中が塞がったままで言った。「私ね、小さい頃からお姉ちゃんのものを奪うの好きだったの。だってお姉ちゃんが好き...