章 504

「そんなことをあれこれ考えても仕方がない。敏さんに呼ばれた以上、行かないわけにはいかないし」

そう思いながらも、この状況に対して好奇心が湧いてくるのを感じた。

「まあ、何年もここで働いているんだ。さっきネットショップで大人のおもちゃを見ていたからって、赵経理が私を呼びつけるとは思えないし」

普段から仕事中にスマホでテレビドラマを見たりゲームをしたりすることだって珍しくない。せいぜい上司に見つかって軽く注意される程度で、大したことではないはずだ。

オフィスエリアを出て廊下を歩きながら、やはり少し緊張を感じていた。

敏さんのオフィスのドアの前に立ち、ノックすると、中から爽やかな返事が聞こえてきた。...