章 1206

「こういうことだったのか、そして今見たところによると、妻は鵬に対して距離を置くようになったからこそ、先ほど鵬があんなに悲しそうに泣き出したんだな」

続けて、私は先ほどから見ていた監視カメラの映像を再生し続けた。

鵬が妻に言った言葉に、妻の表情はためらいと戸惑いを見せていた。

やはり、こんな風に涙を派手に流している鵬を見て、あの悲しそうな様子に妻は心を痛めていたのだろう。妻は自分が間違ったことをしたのではないかと考えていたに違いない。

恐らく妻からすれば、鵬にも変化に慣れる時間を与えるべきで、いきなりこんなに徹底的にするべきではなかったと思っていたのかもしれない。

そう思うと、妻は鵬に対し...