章 1100

妻は、この五日間で一度も私に電話をかけてこなかった。私の方から電話をかけていたのだ。

七日目になって、すべての仕事が片付き、同僚と一緒にこの街を離れて家に帰る準備をしていた。

今夜が、この街で過ごす最後の夜だった。

今晩も、妻からは電話がなかった。

本当なら腹を立てて、こちらから電話するのもやめようと思ったのだが、考え直してみると、やはり妻が心配だった。今回の件で、妻の純粋で少し痛々しいほどの単純さが気になっていたのだ。

しかし、電話が繋がった後、妻は鵬鵬の話題を一切出さなかった。

それが非常に気になり、軽く鵬鵬のことを二言三言尋ねてみたが、驚くべきことが起きた。

妻の口調が妙に不自然になった...