章 1079

幸い最後の瞬間に妻が反射的に後ろへ身を引いたおかげで、危機を回避できた。そうでなければ、妻の魅惑的な赤い唇と、この小さな義弟の口とが重なってしまうところだった。

「話し?こんな遅くに寝ないで話したいの?何を話すつもり?」妻は自分の腕時計をちらりと見てから鵬鵬に言った。先ほどの気まずい出来事には触れない口調だった。

「特に何を話すとかないけど、じゃあ二人のことでも話そうか?お兄さんとどうやって知り合ったの?」鵬鵬はこの時、好奇心に満ちた、答えを知りたがる表情を浮かべていた。

「鵬鵬、あなたはずっと思慮深い良い子だと思ってたけど、でもお兄さんのことをそんな風に呼んじゃだめよ。それはとても失礼...