章 59

昼の太陽が頭上に高く昇り、まるで大きな蒸し器のように体中の水分を絞り取っていた。汗を一拭いて、龍根は魏武の家へと足早に向かった。

以前は気づかなかったが、今になって分かった。「笑顔の虎」とはこういうものか。この老いぼれは息子の嫁にまで手を出す。あのものは楊英に言わせれば爪楊枝のようだというのに、どうしてそんなに女好きなんだ?

辺りに人影はなく、塀を乗り越えて庭に忍び込むと、黄色い犬が「ワンワン」と吠え始め、龍根に向かって牙をむき出しながら鎖を引っ張った。腹の下には真っ赤なものが垂れ下がり、硬く突き出していた。

「うるせえ!吠えるな、明日メスの犬を連れてきてやるぞ!小花はどうだ?」

龍根...