章 24

夕風そよそよと吹き、日中の残った暑さを払いのけ、いくらか爽やかさを増していた。村の入り口には再び白いスクリーンが張られ、日が暮れるか暮れないかのうちから、途切れ途切れのスピーカー音が響き始めていた。

野外映画会は三日間続き、今夜はその二日目だった。村人のほとんどが見物に繰り出していた。一つには田舎では珍しいテレビもなく、外の世界を見る機会が少ないこと。二つには、長い夜をどう過ごすかという問題で、布団に入って女房と一緒になる以外、何をすることがあるというのだろうか?

一年三百六十五日、生理の日を除けば三百日以上も夜があり、女房とばかり一緒にいれば飽きてくるものだ。歌詞にもあるではないか、「野...