章 835

紫陶仙子の目には、秦朗を見つめる視線に好奇の色が浮かんでいた。

神魂球は、秦朗が前世で学んだ修真者の神魂を凝縮する一種の手法だった。

この手法は特別高度なものではなく、金丹期の修真者でも修練可能だが、多くの名門大派の秘蔵とされ、上等な門派の弟子だけが使うものだった。

「上等な門派だと?我々の未来は上等な門派を創ることにあるのだ!」

秦朗はくすくすと笑いながら紫陶仙子を見つめた。

今の紫陶仙子はまだ物事を理解しきれていない状態だったが、秦朗は知っていた。前世では、紫陶仙子が彼を連れて師門を探し求めた時、名門大派はどこも傲慢で、見栄を張り、二人に様々な難題を突きつけてきたのだ。

当時の秦朗...