章 780

「金、金……」

首を傾げた荒くれ者は自分のポケットを探り、辺りを見回すと、突然目を輝かせた!

これは?

さっきの女のバッグじゃないか!

先ほど秦朗は簡意だけを連れ去り、彼女のバッグは持って行かなかったのだ。

荒くれ者はよろよろと這い寄り、そのバッグを掴むと中身を全部ひっくり返した。リップスティック一本と小さな鏡のケースの他に、上質な牛革の財布が出てきた。

その財布は膨らんでいて、かなり分厚く見える。

荒くれ者は急いで財布を開け、中に並んだ黒いカードの数々を目にした。工商銀行、農業銀行、建設銀行など、各大手銀行のクレジットカードや預金カードが揃っており、しかもすべてが黒いブラックカードだった!

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