章 776

「しかし彼は人を殺すことを恐れ、秦朗の脚部を狙った。だが全員を唖然とさせたのは、その弾丸が秦朗から数メートル離れたところで青い光の壁にぶつかり、弾頭が宙に浮いたまま留まり、秦朗には一切傷を与えなかったことだった。

「なんてこった!」

魅者は驚愕のあまり思わず銃を下ろし、目を見開いて見つめた。

「パチパチ」

金色の炎が秦朗の体からサッと噴き出した。彼が着ていた偽装用の風合いコートはあっという間に炎に焼かれ灰となり、中の引き締まった黒い衣装が露わになった。漆黒の長い髪が風にはためいている。

秦朗は黒衣に黒髪、黒い瞳を持ち、金色の炎に包まれ、まるで太陽神アポロのようだった。

彼が一歩踏み出すた...