章 693

「どうやら、あの銀針はかなりの効果があったようだな」秦朗は口元をわずかに動かした。

秦朗の戦意はむしろ一層高まり、先制攻撃に出た。半分に折れた刀が空中で閃き、刀の光はますます輝きを増し、一撃ごとに空間を引き裂いていく。

「カン!」

この時の幽塚路野はまったく恐れる様子もなく、むしろ真っ向から刀を構えて前進し、秦朗に対して真正面からぶつかっていった。

この一撃では互いに優位に立つことはなく、二人とも後方へ一歩下がった。すると秦朗は刀を構え、空気を切り裂くように二十数回も横薙ぎを放った。一撃一撃が鋭く、空間に痕跡を残していく。

秦朗が演じる「搗薬真経」に記された刀法は、剣宗の宗師と称され...