章 587

秦朗は軽く真気を運行させ、桜井凛の頭に優しく手を当てて言った。

「よし、終わりだ」

「ありがとうございます、秦先生。先生の大恩は一生忘れません」桜井凛は深々と頭を垂れ、心から服従の意を示した。

「喜ぶな。私はただお前の発作の時間を先延ばしにしただけだ。つまり頻度を下げただけで、根本的な治療ではない」

秦朗は淡々と口を開いた。「これからお前の症状は一ヶ月に一度の発作になる。しかも前兆があるようにした。これは憐れみからではなく、条件付きだ」

「どんな条件でも、秦先生のおっしゃることには絶対従います」桜井凛は胸が震えるのを感じながら、頭を下げて言った。

「お前の武道の力をすべて散らす。これからはただ...