章 517

「なんでそんなことが?」

「どうしてそんなことが?」

項飛龍は反応し、顔中に驚愕の色を浮かべた。

これほど大きな事を項家が事前に全く知らされていなかったことに、項飛龍は大いなる皮肉と衝撃を感じていた。

状況から見るに、事前に皆で話し合ってこの決定がなされたのだろう。つまりこの決定が下される前に、項家は完全に輪の外に置かれていたのだ。その理由は言うまでもない。

「会長?」

田小娥も瞼が痙攣した。「あらまあ、会長が秦朗ですって?絶対何かあるわ。絶対そうよ。あの人がどうして会長になれるっていうの?」

「鐘九珍の姪が秦朗の彼女らしいぞ」と項家の情報通が憤然と言った。

「ふーん、なるほどね。ヒモってこと...