章 495

しかし、すぐに橋本は笑えなくなった。

まるで夢幻のような光景を目の当たりにしたからだ。

光の刃が無数に突き刺さった秦朗が、ゆっくりと立ち上がり、両手を軽く握った。

ゴォッ!

秦朗の周囲に炎が巻き起こった。その炎は一つの塊ではなく、星のように点々と散らばり、それぞれの炎が一本一本の光の刃を包み込んでいた。

ジジジ……

刀が溶けていく音さえ聞こえてくる。その炎からは明らかに灼熱感が放たれ、橋本でさえ部屋の温度が上昇するのを感じ、彼の纏う陰湿な気配が強く押し潰されていくのを感じた。

橋本はしばし呆然としていた。そのわずかな間に、星のような火が一本一本の光の刃を跡形もなく焼き尽くしていった...