章 437

「お客様がいらっしゃるのを見て、鐘玉は自ら席を外し、秦朗に一声かけて立ち去った。

張大海は鐘玉を見て、明らかに表情が一瞬固まった。秦兄貴は本当に福がいいな、と思ったが、すぐに本題に戻り、憂鬱そうに言った。「秦さん、本当に他に手立てがなくて、申し訳ありません」

李雪も心から詫びていた。彼女はずっと秦朗こそが黄蓉を守る最適任者だと思っていたのに、この陳処長がどうしても引き受けると言い張り、今になって失敗し、また秦朗に頼みに来るなんて、本当に無礼極まりない。

陳処長は初めて秦朗の実物を見て、張大海と同様に、秦朗の警備員の制服姿を見て思わず笑ってしまった。彼らがわざわざ駆けつけたのは、一介の警備...