章 356

別れの時、サミットは数千の信者を率いて鐘玉と秦朗をアムロン都市の境界まで見送った。

「教主様、どうか私たちのことをお忘れにならないでください」

「教主様、何かご命令があれば、どうぞ使いを寄こしてください」

「教主様……」

象月教の信者たちが次々と前に出て、教主に別れを告げた。この一ヶ月の間に、鐘玉の民に寄り添う姿勢は弟子たちの一致した支持を得ており、皆が彼の出発を惜しんでいた。

サミットの丹精込めた看護のおかげで、秦朗の怪我は完全に回復していた。だから、彼らがインドに留まる必要はもはやなかった。

……

そして今、地球の反対側では。

北米、アラスカの最北端、年間を通して気温がマイナス...