章 354

身長約一メートル九十のサミットが空中で爆発的な蹴りを放った。その体から発せられる殺気は世界を破壊しかねないほどだった。秦朗は極めて強烈な気の波動を感じ、心が震えた。左足を前に曲げ、両腕を大鵬が翼を広げるように伸ばし、地面すれすれに後方へ急速に後退した!

この一退によりサミットの鋭い攻撃力は約半割ほど減じたものの、秦朗の表情はかつてないほど真剣そのものだった。この教主はただ者ではない!

サミットは一撃が命中せず、顔に一瞬の驚きを浮かべた。今度は無謀に攻撃を仕掛けることなく、その場に立ち尽くし、深い眼差しで秦朗を見つめていた。

沈黙——四方は静寂に包まれ、皆が次なる攻撃の機を窺っていた。先ほ...