章 32

秦朗が遠ざかるとすぐに鐘玉に電話をかけ、彼女の居場所を聞いて急いで向かった。

学校近くの小さな路地で、秦朗は鐘玉を見つけた。彼女は小さなノートを手に何かを記録していた。

「鐘玉、何を書いているの?」秦朗は近づいて彼女の手からノートを受け取り、一目見ると、そこには10数件の賃貸情報が記されていた。

「馬家堡角門、ワンルーム、月450元、水道光熱費別……」

「力同胡同14号院の個室、月400元……」

……

「不動産屋を通すと一ヶ月分の家賃を払わなきゃいけないから、そんなお金ないし。どうせ今日は暇だから自分で探してみようと思って。ただ、学校近くの部屋は私には高すぎて、まだ適当なのは見つからなかったけ...