章 267

姚俊杰は何も尋ねることなく、秦朗が提案するとすぐに同意した。秦朗と戴前柏が家族寮で警備に立つことになったのだ。

結局のところ、秦朗は鐘家と何らかの関係があるかもしれない。そんな大きなバックグラウンドを持つ人物に、姚俊杰は「ノー」とは言えなかった。

今後、秦朗の仕事は、日中はパトカーで巡回し、残りの時間は燕大家族寮の前で警備に立つことだった。

仕事は単純だった。警備と言っても、実際は大半の時間を警備室で座って過ごし、問題が発生したら即座に解決するというものだった。

その日の夜、秦朗は警備員の制服に着替え、戴前柏と一緒に家族寮の警備室へ向かった。

夜の10時、鐘玉が遠くから歩いてきた。秦朗は心が躍...