章 263

鐘玉と秦朗が車から降り、目の前の家屋を見つめた。ここが母が小さい頃から暮らしていた場所だと思うと、そしてまもなく母を死に追いやった「犯人」である実の祖父・鐘九珍に会うことを考えると、鐘玉の胸は激しく波打ち、落ち着かなかった。

「中に入ろうか」

鐘雪山が鐘玉に向かって言った。

そう言うと、鐘雪山は先頭に立ち、一段一段と階段を上り、半メートルほどもある敷居を越えて、鐘家の大邸宅へと足を踏み入れた。秦朗と鐘玉はその後に続いた。

一方、「風花雪月」の四人の女性たちは、鐘雪山の指示で鐘家の使用人に案内され、第一の中庭にある離れの間で一時休むことになった。

鐘府の中は回廊が入り組み、假山や花石、奇妙な...