章 26

すぐに、夏晴たちは秦朗を取り囲み、全員の顔には嘲笑うような笑みが浮かんでいた。

「こいつ、なかなかビジネス頭あるじゃん。ここに来るのはホワイトカラー層だって分かってて、確実に金が貰えるって踏んだんだな」

「さっき10元くらい貰ってたよね?一人10元で、一日やれば結構な額になるよね。秦朗、今までいくら稼いだのさ?」

……

彼らは皆、秦朗を物乞いだと思い込んでいた。

夏晴は露店で買ったような安物の服を着た秦朗を上から下まで眺めた。やっぱり秦朗のことを見誤ってなかった。この数日、ますますダサくなってきて、物乞いなんて金の稼ぎ方まで思いついたなんて!

いとことの計画を思い出し、夏晴の口元に冷ややか...