章 182

四十代の男性が車の後部座席に座り、中華タバコを吸いながら煙の輪を吐き出し、軽く笑いながら言った。「あの若造が見すぼらしい格好してるの見なかったのか?自分で働いてもいないだろうに、どこから金を引っ張ってくるんだ。相手が年寄りの婆さんだろうが、腹が膨れりゃそれでいいんだよ」

「でも、ケンピンスキーホテルに入っていきましたよ」運転手は首を傾げて尋ねた。

「はっ、お前ほんとに間抜けだな。飯も食えないくらい金がないなら、仕事を探すだろ?あいつはケンピンスキーで警備員か調理補助の仕事でも探しに行ったんだよ。こんな人間、俺は山ほど見てきた。そんなことも分からんのか」

「さすが社長、お目が高い」運転手は...