章 963

「いいえ、この毒薬の名前は『紅粉骸骨』と呼ぶべきだと思います」

李牧辰は首を横に振りながら、低い声で言った。花夜神の瞳を見つめる彼女の目は、誠実な光を宿していた。

轩辕王は烈焰谷の人々の心の中で、絶対的な存在であった。

彼の発する一言一句、一つ一つの命令は、部下たちが疑う余地のないものだった。

誰かが疑いを持とうものなら、その者には二つの道しか残されていない。

一つは死。

もう一つは、生きていても死んだ方がましという道。

それは彼が毒薬に付ける名前にも及んでいた。彼がある毒薬を「紅粉佳人」と呼べば、その毒薬は紅粉佳人と呼ばれるのだ。

誰がこの毒薬を紅粉佳人ではないと言えるだろうか——あなたは...