章 771

「李南方のこの顔は、灰になって海に撒かれても、岳梓童には分かるだろう。

それは幼い頃の悪夢の主人公であり、大人になってからは歯ぎしりするほど憎んでいた人物だ。

だが今見ると、あまりにも——可愛い。

そう、まさに可愛い。

ほら見てご覧よ、うちの南方のこのハの字眉に、一重まぶた、低い鼻に蛙のような口、これらが組み合わさるとなんて格好いいんだろう。

これに紅をさし、眉を描き、口紅を塗って、牛乳を半瓶も顔に塗ったら、韓国のアイドルだって負けを認めるに違いない。

岳梓童はこれまで気づかなかった、李南方がこんなにも格好いいことに。

以前は、どうしてこれに気づかなかったのだろう?」

思わず、彼の顔を指先で軽...