章 723

葉小刀も賀蘭扶蘇も、共に当世一流の武術の達人である。

特に二人が手を組んだ時には、数百人の武装集団の中を三度突入して三度脱出しても、自分たちは無傷のままでいられるほどだ——それは不可能なことではない。

だが、たとえ刃物を首に突きつけられても、二人の目の前で、十数メートル先に跪いていた林依婷が、音もなく攫われるなどと信じられるはずがなかった。

しかし、それは事実だった。

二人とも、林依婷がいつの間にか姿を消したのか気づかなかったのだ。

彼女が自ら忍び去ったとは考えられない。

なぜなら、目の見えない人でさえ分かるほど、彼女は賀蘭扶蘇が現れた瞬間から、目に映るのは彼だけだったからだ。

自ら忍び去るど...