章 2426

バンコクには多くの寺院があり、街中には僧侶の姿が溢れている。

これらの僧侶たちは異なる寺院に所属し、異なる神々を信仰しているが、それでも彼らすべてを統率する「護国法師」という重責を担う、徳高き高僧が存在する。

卧仏寺の住職である懸空禅師が、まさにその役割を担っているのだ。

護国法師という職は、決して名ばかりのものではない。

民間の王とも言えるほどの存在だ。

なにしろ、この国では法律で、すべての男性が成人後に僧侶となることが義務付けられている。最短でも一年か二年は出家し、苦行僧としての生活を送って意志力を鍛え、大衆の苦しみを理解することで、将来どのような立場に就いても本分を忘れないようにするため...