章 2309

李牧辰が最も恨んでいる人間は三人いる。

真っ先に挙がるのは花夜神だ。同じ王上の座下にある神女でありながら、なぜ彼女だけが幸せを掴めるのか——そんな理由からだった。

二番目に恨んでいるのは、かつての栄華を奪った轩辕王。

そして三番目に恨むのが、李南方だった。

李牧辰が李南方を憎む理由も単純だった。「私も夜神も同じ王上の座下の神女なのに、どうして彼女には幸せを与えて、私には与えないの!?」

女の恨みというものは、女の愛と同じく、理由などないものだ。

説明も必要ない。

とにかく李牧辰は李南方を特別に恨んでいた。

今日の李牧辰の運はすこぶる良かった。まず最も恨む相手を見つけ、そして三番...