章 2232

時間を四時間前に戻す。

東洋から昨日出発した豪華客船が、ゆっくりと明珠港に接岸した。

VIP通路のドアが開くや否や、二十歳そこそこの若い太った男がそこから飛び出してきた。

太った男は両手にノートパソコンを二台抱え、地面に降り立った瞬間、パソコンを真ん中から折り曲げ、そのまま海へ投げ捨てた。

この行動に、多くの人が振り返った。

誰も、この若い太った男が何を考えているのか理解できなかった。

あれはアップル製の最新パソコンだ。ハイスペックの二台を合わせれば、京華の二環内で一平米の部屋が買えるほどの価値がある。

それを捨てるとは。

しかも折り曲げて海に捨てるなんて、拾って得をしようとい...