章 2210

朝の六時。

華夏東省のとある小さな県城。

ある金融会社の経営室から、太った男が出てきた。

その社長は死人のような顔色で執務エリアを通り抜け、エレベーターに乗り込み、最上階のボタンを押した。

明け方、彼はネット警察部門で働く友人から電話を受けていた。

海外のハッカーが華夏のネットワークを攻撃しているから、自社の財産データに異常がないか急いで確認するようにと言われたのだ。

慌てふためいて会社のネットワークセキュリティエンジニアを呼び出し、会社に駆けつけたときには、すべてが手遅れだった。

どこの天罰受けるべきハッカーなのか、他の会社ではなく、よりによって彼のような小さな金融会社の資産を狙うとは。

終...