章 2042

「空空大師」——民間に於いて第一の玄門の高手と称えられる人物である。

その最も顕著な功績は、岳梓童岳家主の冥婚の際に、太鼓を打ち邪気を祓ったことであった。

もっとも、その時の祓いは何の役にも立たなかったのだが。

それでも空空大師の腕前は、多くの人々から信頼を集めていた。

少なくとも、西梁山の「潜龍在天」と卧龍谷の「龍鳳朝陽」、この二つの風水の宝地が陰龍脈であるかどうかという問題において、官方が確認する上で、空空大師の果たした貢献は消し去ることができないものだった。

老僧は招かれざる客として現れた。

その場にいた人々の身分は複雑で、老僧を知らない者も何人かはいるはずだった。

しかし奇妙なことに...