章 1606

李南方は会議室に座り、スマホの連絡先リストを次々とスクロールしていた。

彼が探していたのは、南方グループの窮地を救ってくれる人物だった。

そういう人は多くいたが、李社長はこれまでそうした助けを借りたくなかっただけだ。

どう考えても、南方グループは彼のキャリアの出発点だ。他人の施しに頼って事業を発展させたという評判を残したくはなかった。

だから、今まで彼はそういった人脈を使うことを考えもしなかった。

だが、今はもう無理だ。

今ここで切り札を使わなければ、南方グループは崩壊する。バカでもなければ、見栄を張るために自分を破産させるようなことはしない。

彼の指は一つ一つの名前の上を滑り、それぞれの人物...