章 1489

警備員として上司の電話を盗み聞きするのは、タブーなことだった。

この二人の兄弟は、そんな気持ちは全くなかったが。

かといって荊紅命が電話をかけている時、わざわざ耳を塞ぐわけにもいかない。

それに、これまで荊局長が車内で電話をする時も、彼らを避けたことは一度もなかった。

聞こえたら聞こえたままでいい。どうせ荊局長が誰かと通話する時は、基本的に仕事の話だ。

たまに荊紅夫人と電話で話し、鉄血漢の優しい一面を見せる時も、彼らはただ局長夫妻の仲の良さを喜ぶだけだった。

だが今回は違う。荊局長と電話で話しているその女性は、明らかに荊紅夫人ではなかった。

この二人は到底信じられなかった。荊紅夫人以外に、こん...