章 1325

銃声が鳴り響いた後、やっと岳梓童は隋月月が李南方の子を宿しているという怒りから完全に我に返った。

「うわっ、ヤバい!ここにいちゃマズい!」

普段どれだけ自分を国家安全部の精鋭エージェントだと自慢し、無料でもらえるかのようにその肩書きを次々と自分に当てはめていたとしても、彼女は事に直面すると六神無主になる普通の女の子よりずっと強かった。

反応も何倍も速かった。

今最も重要なのは、ここで誰かに腹を立てることではなく、すぐにその場を離れることだと分かっていた。

そうしなければ、乱れ飛ぶ弾丸に巻き込まれる可能性があった。

そんなことになったら、国家安全部の精鋭エージェント「白薔薇」がここで...