章 1214

「上島桜花が李南方と知り合ったのは、まさに天の悪戯だった。

彼女が東洋を誇りとする某教授の妻でなければ、李南方が遥々東洋まで来てその教授にデタラメを吐いた罪を償わせるため「説得」しに来ることもなく、彼女と知り合うこともなかっただろう。

さらに、人を殺した直後の魔性に取り憑かれた時に、彼女が確かに美しいと気づき、至る所に獣性と淫靡な気配が漂うこの土地の影響を受け、荒々しい方法で彼女を我が物にすることもなかっただろう。

上島桜花を手に入れた後も、李南方はそのことを大したことだと思わなかった。

どうせ彼の心の中では、この民族の人間を人間だと思ったことなど一度もなかったのだ。

ただ獣の欲望を発散させ...