章 1208

「愚か者め。」

上島桜花の左肩が傷つき、鮮血が飛び散るのを見て、谷の左側の林に隠れていた李南方は低く呟き、サッとコーラーの狙撃銃を構えた。

李南方は専門のスナイパーではなかったが、蔵和の頭を一発で吹き飛ばせる絶対的な自信があった。

だが引き金を引こうとした瞬間、彼は手を緩めた。

上島桜花は蔵和の三度目の斬撃を受けた後、ようやく自分が相手の敵ではないことを悟った。

もはや美女としての体裁も南方組の親分としての威厳も顧みる余裕はなく、慌てて左に飛び込み、転がるようにして何とかこの致命的な一撃をかわした。

幸い、周囲に陣取っていた他の断刀流の弟子たちはガラたちと必死に戦っており、それが彼女を冷た...