章 1176

「もともと何の関係もない二人の間で、一方が相手に何かを頼む時、それに見合う、あるいはそれ以上の対価を提示しなければならない。

そうでなければ、相手は取り合ってくれないだろう。

自然と、頼まれる側が優位に立ち、相手の話を聞いた後でゆっくり考え、損得を計算してから、協力するかどうかを決められる。」

李南方はそんな心持ちでドアを開け、車から降りた。

彼が陸家に乗ってきたのはタクシーだった。ドアを押し開けると、すぐに誰かが足早に近づいてきて、百元札を二枚車窓から運転手に差し出し、手を振って、なぜこんなに多く払うのかと聞くまでもなく、さっさと行けと促した。

こんな理不尽な相手に、運転手は何が言えるだ...