章 1142

月光の下、王上の端麗な顔は、完全に歪んでいた。

恐ろしいほどに獰猛な形相だった。

だがその瞳には、言い表せない慌てが満ちていた。

そして自己卑下の色も。

ほぼ思いのままに、殺したい者を殺せる王上が、なぜ人を殺そうとする時に慌てているのか?

まさか彼女は展星神を殺せないのか?

もちろんそんなことはない。

彼女が慌てているのは、自分の最大の秘密を覗かれてしまったからだ。

それはまるで、左手の五本指がもたらす快楽を発見したばかりの傲慢な少年が、学校の片隅で憧れの美人教師の写真を見ながら激しく自慰行為に耽っていたところを、ライバルに見つか...