章 1108

南方は、梓童が話をする時に癖のように指を伸ばして人の目の前でひらひらさせるのが本当に嫌だった。

あの細く長い指を、春の青葱のように美しいと見せびらかしているのだろうか?

しかもそれは醤油につけて、餅で巻いてバクリと一口で食べられるものでもない。

嫌だと思いながらも、南方はその癖に毒されてしまい、今では自分も人と話す時に指を伸ばす癖がついていた。

「話せ」

風のように料理を平らげていた南方は、忙しなく顔を上げてあの三本の青葱のような指を一瞥し、口の中が一杯で不明瞭に言った。

「まず一つ目は、ごめんなさいと言わせてください」

梓童は真剣な...