章 996

「ふふっ、いいわ……」

その瞬間、胡美娇の体内から熱い流れが迸り、林浩の体を包み込んだ。林浩はその熱流を感じながら、「大明歓喜禅」の力を発動させ始めた。彼の逞しさから次々と力が放たれ、胡美娇の元陰を吸収し始めた。

しかし、そのとき胡美娇の体内からも吸引力が生じていた。その力は林浩が放っている吸引力とほぼ同等で、絶え間なく元陽の気を吸い取ろうとしていた。

林浩はすぐにその状況を察知し、顔色を変えた。彼の心に確信が芽生えた——相手は必ず秘術を身につけており、しかも自分とほぼ同じ功法を修練しているに違いない。

ただ、自分の功法は「採陰補陽」とも呼べるものだが、相手の元陰を損なうことはなく、相...