章 789

保安部の精鋭たちが林の陰に潜み、二門の火砲を公道に向けて構えていた。

絶好の視界が広がっており、下を車が通りさえすれば、一発で確実に命中させることができる態勢だった。

林浩と葉菲は車内で甘い言葉を交わし合い、前方では張松が車を運転して県城へと向かっていた。

沿渡河を出発してからおよそ30分、あと十数分で林浩と葉菲は県城に到着するはずだった。しかしその時、馮凱歌は部下から連絡を受けた。「隊長、現在地点から5キロ先で不審な状況を確認しました!」

「なっ」馮凱歌は追跡装置の表示を確認し、林浩が自分より1キロ先を走っていることに気づいた。つまり、林浩はすでにその不審な範囲内に入っているということだ...