章 765

幽月は前に五十メートルも歩かないうちに、あの二本の大木の前に到着した。この場所で林浩の足跡は消えていたが、幽月はひっそりと大木の陰に白いTシャツの一部が見えることに気づいた。ほんの少しだけ外に出ていたが、幽月にははっきりと見えた。それは確かに林浩が先ほど着ていたものだった。

「観念しなさい、林浩。誰かがあなたの命を狙っている以上、私にも責任はないわ!」実は幽月は林浩の写真を見ていた。認めざるを得ないが、この林浩は本当にかなりハンサムだった。

林浩をこうして始末することに、幽月は内心どこか惜しいという気持ちがあった。だが、彼女はそうしなければならなかった。

向かいの茂みの陰から、林浩がゆっ...