章 624

三人が町の人民病院に到着した時には、救命処置はすでに終わっていた。張伯は遺体安置所に置かれており、林浩と楊婷、紅梅の三人が中に入ると、全身を包帯で巻かれ、体が変形してしまった張伯の姿があった。楊婷は体を震わせ、張伯の上に倒れ込むようにして泣き崩れた。

紅梅も傍らで楊婷の様子を見ていたが、その悲しみに感化されたのか、声を上げて泣き始めた。

林浩はこの状況を見て、ようやく理解した気がした。楊婷の家の裏庭にあった薬草が誰のために使われていたのか、今になって明らかになったのだ。

しかし今さらそれを知ったところで何も変わらない。張伯はもういないのだから。

不幸中の幸いというべきか、張伯の車が崖下...